(文章を)読め読め読め!
今でも空耳から聴こえてくるラジオの声。
私の文章力を鍛えてくれたのは、五感を使った学びを実践してきたことでした。
私が実践してきた内容は、古文の原文を現代語訳にして、それを音読する。文章を書くのが好きだった私が、高校生の時に取り組んだ「文章を視写するトレーニング」は、古文の現代語訳でした。
まずはノートに文章を書き写し、そして古語辞典を引きながら現代語訳を書いていました。
そして、授業で先生が説明する現代語訳を合っているかを確認し、合ってなければ赤字で書き直した上で最後は清書していきました。
枕草子、源氏物語、徒然草など、教科書や問題集、旺文社大学受験ラジオ講座テキストなどに出てくる文章を書き写して、その文章の右隣りに現代語訳を作成する作業でした。
私が高校生の頃はパソコンとプリンタがない時代であり、文章を写すためには近くのコンビニで該当する部分をコピーするか、または手書きをする必要がありました。
最初は古典文法をマスターするために品詞分解をしなければならず、「面倒だなぁ…」と思いながら嫌々やっていました。しかし、書き写すことに慣れてくると文章の構成や語感などが自然に身に付き、最初から最後まで品詞分解をしなくても、わからない言葉を辞書で引くだけで現代語訳ができるようになりました。
さらに何度も音読をすることで、文章の持つリズムが理解できるようになり、現在私が文章作成する時の「土台」になっています。
社会に出ると、論理的な文章を書くことが求められます。
多くの上質な文章を視写し、繰り返し音読することで文章のリズムを掴むことになり、自分の血となり肉になった時格段に文章力が上がります。
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(茅根 康義)