「ありがとうの日」に思うこと

 唐突ですが、皆さんは普段から「ありがとう」という言葉を使っていますか?

 私はできるだけ「ありがとう」と言葉に出して人に伝えるようにしています。

 しかし「わざわざ言葉に出して言う必要があるのか」と思っている方も多いのではないでしょうか。かく言う私もその中のひとりでした。

 10年ほど前にとあるセミナーの締めで「コンビニの店員さんにありがとうと言ってみましょう。」と任意のワーク?みたいな形で言われたことがありました。

 今であれば講師の方が伝えたかったことが理解できるのですが、その当時の私は「何でありがとうとわざわざ言わなきゃいけないのかな…」と思って特にやってみようとは思いませんでした。

 しかし、そんな私の考え方が間違っていることに気付くことがありました。

 私が以前勤めていた会社で「ありがとうございます」と言葉に出している上司がいました。

 その方は私よりも年下だったこともあって、年上であり、しかも中途入社の私に対しても常に敬語で接してくれました。また、物腰が柔らかいだけでなく、誰に対しても分け隔てなく接していました。「〇〇ちゃん」と呼ばれるくらい周りから愛されるキャラクターでした。

 そんな彼の姿を見ているうちに、私もある時から「ありがとう」と言葉に出して伝えることを心掛けるようになりました。そして、言葉に出すことが習慣になったことで周りの人に対して「感謝する」気持ちを持つようになりました。

 今でもコンビニやスーパーではなかなか言うことができていないのですが、居酒屋などで注文する時や注文したものを運んでくる時に「ありがとう」という言葉をできるだけ使うようにしています。言葉で伝えることで、店員さんの表情がガラッと変わります。そのことを当時のセミナー講師は言いたかったのです。

 ありがとうは「ありがたし(有り難し)」という言葉が由来とされています。

「有り難し」は、「有ること」が「難い(かたい)」という意味で、本来は「滅多にない」「珍しくて貴重だ」という意味を表しています。

 『枕草子』の「ありがたきもの」では、「この世にあるのが難しい」という意味。つまり、「過ごしにくい」といった意味でも用いられています。

 中世になり、仏の慈悲など貴重で得難いものを自分は得ているというところから、「ありがとう」は宗教的な感謝の気持ちを言うようになり、近世以降、感謝の意味として一般にも広がっていきました。

 ※出典:http://gogen-allguide.com

 奇しくも3月9日は「ありがとうの日」です。

 さん(3)きゅー(9)、つまり英語の「サンキュー」の語呂合わせになることから、NPO法人HAPPY&THANKSが「ありがとうを届ける日」として制定しているそうです。

 まずは身近な人に「ありがとう」と言葉に出して伝えてみることをお薦めします。

 最後までお読みいただきありがとうございましたm(_ _)m。

(茅根 康義)

   

関連記事

  1. 「一年の計は元旦にあり」

  2. 【11月の歳時記】

  3. 【茅根康義】私が文章添削士になった理由

  4. 直観力と視写:小論文での表現方法とその鍛え方

  5. 《プレゼンを磨くコツは身近なところに》

  6. まずは「問い」を疑ってみよう