【儀式と伝統行事の伝承】

今月から時々、日本の伝統文化や行事について書いていくことになりました。
今回は、そのプロローグとして、日本の儀式や行事そのものについて少しだけ
お話をしたいと思います。

私は個人的にも毎月、SNSに「歳時記」と題して様々な文章を書いています。
それぞれの月につけられた和風月名の由来や、その月の行事などに関する内容です。

このようなことを書いているのは、私自身、
長い間「冠婚葬祭業」に携わってきたことが大きく影響しています。

冠婚葬祭業とは、結婚式やご葬儀、七五三や成人式などのお世話をする仕事です。
人は生まれてから亡くなるまでの一生に、様々な儀式を迎えます。

それを「通過儀礼」と呼びますが、ひとつひとつが一生に一度の大切な儀式です。
(最近、結婚式は例外になりつつありますが・・・)

「ハレの日」や「ハレ舞台」などに使われる「ハレ」ですが、
これは「特別な」とか「非日常の」というような意味です。

通過儀礼や結婚式、ご葬儀などはすべて「ハレの儀式」になります。

ちなみに、「ハレ」に対する言葉は「ヶ」で、「日常」という意味です。
「ヶ」の意味は「気」にも通じています。

日常生活の中で疲れやストレスがたまってくると、
悪いものが溜まり、運気が下がると考えられてきました。
これを「ケガレ」と言います。つまり、「気枯れ」に通じます。

そのため、定期的に様々なハレの儀式を行うことで
神に感謝と祈りを捧げ、ケガレを祓ったと伝えられています。

お正月行事や節分、お彼岸、お盆などは冠婚葬祭儀礼ではありませんが、これらもハレの行事です。
先祖の供養、子どもの成長を祈る、収穫を祝うなど非常に日常的な行動や考え方から形になってきたものです。

最近では日本の儀式や行事も、ハロウィンやクリスマスのように形骸化が進みつつありますが、それは「伝える人」がいなくなってしまったということにもよります。

親から子へ、子から孫へと語り伝えられてきたその過程が無くなってきていることが一因ではないかと考えています。
歴史のある国は、自国の文化を大切にしているところが多いです。

今後もますますグローバル化は進み、日本の若者も世界で活躍する機会がさらに広まるでしょう。
他国の人から、「あなたの国の風習は?」と聞かれても、自信を持って答えられる若者が増えることを祈りつつ、これから伝承者の役割を担っていきたいと思います。

(植木 乃梨子)

   

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