志望理由書の書き方
志望理由書を書くための4ステップ【終章】
いよいよ最終回となりました。最終回は志望理由書を書くための4ステップ【終章】です。
前回まで【序章】【前編】【中編】【後編】の4回にわたり「志望理由書を書くための4ステップ」と題して、志望理由書の書き方の基本をお伝えしてきました。
本記事をお読みになる前にこちらをご覧ください。
【終章】である今回は応用編です。前回までの基本の4ステップをもとに入試に向けて対策をしていきます。
実際の入試では、志望先から「ある特定の構成や内容」について問われることがあります。「ある特定の構成や内容を問われる」とは、「志望理由書に書く内容を志望先が指定する」ということです。この場合は、基本の4ステップのサイクルを入れ替えることで対応できます。
ここで基本の「志望理由書を書くための4ステップ」を振り返りましょう。【序章】で出てきた図解です。
指定がある「志望理由書」
一般的な「志望理由書」は上の図の流れで書くことができます。制限字数に余裕がある場合は、各ステップの内容を膨らませて内容を充実させることも可能です。ただ、大学や企業によっては指定がある「志望理由書」を求められる場合があります。制限字数もそれぞれ異なるため、志望先の応募要項をよく読み、設問に沿った回答をする必要があります。実際の設問例⑴⑵⑶をあげていますので具体的にみていきましょう。
志望理由書の設問例
《入試》
- 設問例⑴
本学の方針を踏まえて、①志望に至った経緯、②本学で学ぶ目的、③卒業後の展望、の3点について書いてください。
《就職試験・転職試験》
- 設問例⑵
これまで大学や社会で学んできたことを述べ、入社後にどのように活かしていくかを述べよ。 - 設問例⑶
これまでの活動や取り組みで得たことを挙げ、今後、当社で挑戦したいことを述べなさい。
このように、ある特定の構成と内容を問われる場合があります。ここでのポイントは、その要求に過不足なく答えることです。つまり、設問に沿った順番で書いていくことです。これ以外の構成は求められていません。そのため、関係のないことを書いてしまうとマイナスポイントとなります。
設問例⑴の場合
設問例⑴の場合、下記の3部構成となります。
- 志望に至った経緯→図のステップ2に該当
- 本学で学ぶ目的→図のステップ3に該当
- 卒業後の展望→図のステップ4に該当
設問例⑵の場合
設問例⑵の場合、下記の2部構成となります。
- これまで大学や社会で学んできたことを述べ、→図のステップ2に該当
- 入社後にどのように活かしていくかを述べよ→図のステップ4に該当
設問例⑶の場合
設問例⑶の場合、下記の2部構成となります。
- これまでの活動や取り組みで得たことを述べ、→図のステップ2に該当
- 今後、当社で挑戦したいことを述べなさい。→図のステップ4に該当
以上の⑴⑵⑶のように志望理由書に書く内容が指定されている場合は、設問の要求に沿うことが重要です。志望先の要求である構成と内容を理解し記述してください。
字数制限に合わせた各ステップの優先順位
志望理由書の制限字数が少なく、ステップ1〜ステップ4全てを書くことが難しい場合は、制限字数に合わせて各ステップを組み替えます。
- 制限字数多(フルコース):ステップ1→ステップ2→ステップ3→ステップ4+決意表明
- 制限字数中(ステップ2除外):ステップ1→ステップ3→ステップ4+決意表明
- 制限字数少(ステップ2・4除外):ステップ1→ステップ3+決意表明
- 制限字数極少(ステップ1・2・4除外):ステップ3+決意表明
字数に制限がある場合は、伝えたいことをより端的に伝わるように「志望理由書」をまとめる必要があります。そのため4ステップの優先順位が変わるのです。
今回のまとめ
志望理由書の制限字数が少ない場合や、志望理由書に書く内容が指定されている場合の構成と優先順位について説明しました。今回は志望先に沿った必要な対応を応用した内容として説明しました。しかし、何事も基本が大事です。まずは基本の4ステップで「自分だけのストーリー」作成後にアレンジし応用力をつけていきましょう。
- 「基本の4ステップを使い、自分だけのストーリーを作成する」
- 「設問要求に合わせて構成と優先順位を考え制限字数内にまとめる」
何度も「書き直し」をしていくことで、文章や言葉が洗練されていきます。それは、受験合格を目指すだけでなく、あなたの自信にもつながります。基本の4ステップを自分の経験にあてはめて整理することで、世界にひとつだけのオリジナルストーリーを作りましょう。あなただけのオリジナルストーリーは、面接対策にも役立ちます。「志望理由書を書くための4ステップ」の基本を押さえてから本番へ挑みましょう。あなたの成功を心より応援しています。
(文章添削士協会blog班)