私が世界に紹介したい「美しい日本語」

私が世界に紹介したい「美しい日本語」は、「ごゆるり」です。
「ごゆるり」は、あくせくせずにゆったりとした心境を表します。

私は、この言葉から、忙しく過ごす毎日から解放してくれる日本人の気遣いの心を感じます。
似たような言葉で、「ゆったり」や「ゆっくり」という言葉があります。どちらも、ゆとりやリラックスを伝える言葉です。しかし、この2つの言葉には絶妙なニュアンスの違いがあります。

「ゆったり」は、おもに空間に対して、 
「ゆっくり」は、おもに時間に対して、

それに対して、「ごゆるり」は空間と時間どちらも含めたゆとりやリラックスを表すことができる言葉なのです。

「ごゆるり」という言葉を聞いて思い浮かべる情景は、時間を忘れてのんびりと過ごす自然に囲まれた旅館や温泉地ではないでしょうか。

うららかな季節に訪れる、川のせせらぎを楽しめる空間で「ごゆるり」という言葉はなんと胸に染みることでしょうか。おおいにくつろげる、極上の安らぎを感じませんか?

「ごゆるり」の語源は、「緩り」(副詞)という言葉の丁寧語が「御緩り(ごゆるり)」です。

日本語には「大和言葉」といった日本独自の言葉があります。

「大和言葉」は、古代の日本において私たちの祖先が創り出した日本固有の言葉です。日本の伝統から生まれ、育まれた言葉で、別名「和語」ともいいます。日本人の心の繊細さや音の美しさを表現した感性のやわらかさを感じられます。

日本人の奥ゆかしさが詰まった「大和言葉」。
この記事には、いくつ散りばめられているでしょうか?探してみてください。

(工藤 さゆり)

   

関連記事

  1. 読書を習慣化することに必要なことって何だろう…。

  2. 【前編】「伝える」と「伝わる」の違いとは?〜会話編〜

  3. 語彙力は視写によって鍛えられる⁉

  4. 【東野茉莉】自己紹介

  5. 自分の言葉で、愛を語れ -三宅香帆『推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない』

  6. 【6月の歳時記Ⅱ】