【日本の冠婚葬祭】

 昨年までの『歳時記』代わり、今年からは日本の冠婚葬祭の儀式についてご紹介していきたいと思っています。冠婚葬祭という言葉は聞いたことがある方も多いでしょうが、この四文字の漢字はそれぞれ何を指しているのかについては、ご存じない方もいらっしゃると思います。

 最初の文字の『冠』ですが、これは本来元服式を示しています。現代で言えば成人式です。

 前回のブログがちょうど「成人の日」の前後でしたので、その内容に少し触れています。

 よろしかったらご覧になってみてください。話を戻します。元服の際には、こどもの髪型からおとなの髪型に結い直し、頭に烏帽子や冠を付けたことから『冠』は元服を指すようになりました。時代とともにその意味は広義に使われるようになり、成人式だけでなく、誕生祝い、お宮参り、七五三、長寿の祝いなど、ある年齢に達したことを祝う儀式全般に使われるようになりました。このような儀式を「通過儀礼」や「人生儀礼」などと呼びます。

 二文字目の『婚』ですが、これは結婚式を指します。実は、結婚式は「結納」「挙式」「披露宴」という三つの儀式から成り立っています。結納式は今ではほとんど省略されることが多くなってしまいましたが、これら三つをあわせて「婚礼の三儀礼」と呼びます。

 三文字目の『葬』ですが、これは葬儀のことを示しています。葬儀の正式名称は、葬送儀礼です。こちらも最近省略傾向にありますが、本来は「通夜」「葬儀」「告別式」の三部形式になっています。

 四文字目の『祭』ですが、これは祭礼を表しています。本来「祭り」の語源は「祀る(まつる)」から来ており、先祖を敬い、祀ることを示しています。つまり、祖先の供養として行われる「年忌法要」などが代表的な儀式になります。

 このように、『冠婚葬祭』という四文字にはそれぞれ意味があり、長い歴史の中で伝え続けてこられた大切な儀礼としてのしきたりがあります。

 それぞれ個別の意味については、別の回でご紹介しようと思っていますので、これを機会に少し興味をお持ちいただけたら、とても嬉しいです。今は行われなくなった儀式でも、本来は意味があってしてきたことなのだとわかると、先人たちの生活や気持ちが分かるような気がします。

 特に若い世代の方々は、これからさらにグローバルな活躍をされることが多くなることでしょう。世界で活躍する人には、若くても自国の事をしっかり語れる文化的教養の高い人が多くいらっしゃいます。ぜひ、日本の若者にもそうあって欲しいと願いながら、次回も色々ご紹介していきたいと思います。

(植木 乃梨子)

   

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