「初夏の爽やかな時季はあったのだろうか?」と思うほど、今年は梅雨明けから連日の猛暑ですね。
8月は、旧暦では秋の始まりの月と言われていますが、現代では全く想像もつきません。
8月の和風月名は『葉月(はづき)』と言います。そして、この名前の由来は、「葉が散り始める季節」と言うことから来ています。現代の8月は、旧暦では9月中旬から10月中旬頃にあたりますから、今ほど温暖化が進んでいない時代では、本当に葉が散り始めていたかもしれません。
8月にはお盆があったり、各地で夏祭りがあったりして、夏ならではの行事がたくさんあります。7月に終わってしまったと思われがちな七夕ですが、実は七夕三大祭りの一つとされる仙台七夕祭りは、2023年の8月6日~8日に開催される予定です。伊達政宗公の時代から続くと言われる仙台の七夕祭りは、大きな吹き流しや豪華な笹飾りなどがいたるところで飾られ、街を挙げての一大イベントに目を見張ります。
また、8月の上旬と言えば、『暑中見舞い』を送る風習が昔からありました。今では送る人も少なくなってしまったでしょうが、これは8月7日までに送るものとされています。
8月8日には立秋をむかえ、暦の上では秋になります。そのため、8月8日以降の暑さに対しては『残暑見舞い』を送るようにします。残暑見舞いの期限は、特に「いつまで」と決まっていませんが、8月下旬頃までが一般的なようです。
さて、もう一つ、8月前半の行事として8月11日の『山の日』があります。
この山の日は2014年に制定された、現在の『国民の祝日』の中で最も新しい祝日です。
この祝日の趣旨は「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」とされています。
先日、軽装でゲリラ登山をする若者が増え、とても危険な状態に陥っているというニュースを目にしました。登山をするときには必ず事前に情報収集と準備をしっかり整え、安全に楽しんでいただきたいものです。
最後になりましたが、今年の山の日は金曜日なので、お盆休みがいつもより1日早く始まりそうですね。お盆休みには帰省する方や、旅行の計画を立てている方がいらっしゃるでしょう。また、その時期が繁忙期でずっとお仕事の方もいらっしゃるでしょう。どちらの方も、くれぐれもこの暑さに負けず、体調を整えて乗り切っていただきたいと思います。
ではまた、8月後半の歳時記でお会いしましょう。
(植木 乃梨子)