絵心のない私がギャラリーに通って学んできたこと【前編】

 絵は、正面だけでなく違う角度から見ると同じ作品でも全く違う作品に見える

 前回のブログにも書いたように、横になって眺めてみてわかったことである。

 正面から見るのとは見え方が違うことを学んだところで、絵画の鑑賞方法についてアートディレクターさんからレクチャーを受けた。ポイントは下記の内容である。

 同じ作品を上下左右から見る
 近くからだけでなく遠くからも見る
 同じ作品を逆さまにして見る(できれば作品の上下を変えてみる)

 同じ作品でも、見る角度が変われば見え方が変わる。

 例えば、ひまわりの植木鉢を正面から見るのと、背後から見るのではひまわりに対する印象が変わるのではないだろうか。

 また、展示スペースに飾られている作品の配置は、作家やギャラリストさん、アートディレクターさんの「意図」があって決まっている。その流れに沿って見て「意図」を実感する。あるいはマイルールを作って、それに従って見る、など…。

 作家さん自身も日々の生活で変化があり、作品は生活の一部を切り取っている。
 結婚したり、生活に変化があったりするとそれが作品にも確実に伝わる。また、作家さんの試行錯誤を知ることになるので、定期的に見に行くことで、前回とは描き方などが変わっているなどの「変化」に気付く。

 さらに、自分が見て気付いたことを言葉にする。

 その時の作家さんやその場に居合わせた方などと話をしていると解釈の違いについても知ることができる。

 ちなみに私はよく「そういう風に言われたのは初めてです」と言われることが多い。

 自分では「こんな感じかな…」と思っていたことでも、いざ言葉にしてみると違う解釈をしていることに気付く。また、作家さんやその場に居合わせた方の話からも「あっ、そんな捉え方もできるのだな」と逆に他の人が語る解釈から学ぶこともある。

 そして、複数の作家さんが描く作品を眺めているうちに「自分の好きな作品・作家さん」の傾向を知ることになる。さらに自分の嗜好がわかってくると、今度は作品自体を「自分のもの」にしたいという欲望との戦いが始まるのである。

 To be continued…。

(茅根 康義)

   

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