11月の歳時記Ⅱ

 暑い夏が終わったと思ったら、秋を飛び越えてもうすぐ冬になりそうな気配があります。

 朝晩はとても気温が低くなり、その名の通り霜が降りそうな季節となりました。

 気がつけば今年もあと1カ月半で新年を迎えることになります。

 11月は多くの行事があることを、前回のブログでお伝えしましたが、この回を書いている本日は11月15日でありまして、七五三のお祝い日です。

 平安時代から続いている儀式ですが、三歳、五歳、七歳と子供が無事に成長出来ていることを感謝し、ひとつひとつ大人になっていくことを示す行事でした。

 始めの頃は、それぞれの家で吉日を選んでお祝いをしていましたが、江戸時代から11月15日に統一されていったそうです。

 これから、11月の後半になると、23日の新嘗祭(にいなめさい)や同じく23日の勤労感謝の日などの儀式や行事が行われます。

 新嘗祭は宮中行事の一つですので、あまり一般には知られていないかもしれませんが、天皇がその年の収穫に感謝を捧げる重要な神事となっています。

 勤労感謝の日は「勤労をたっとび、生産を祝い、国民がたがいに感謝し合う」ことを趣旨として1948年に制定された国民の祝日であり、すべての職に就く人々が労働とそれによる生産物に感謝をする日とされています。

 これまでの歩みをふり返れば、1948年当時と比べて、デジタル技術の発達により、職種も環境も働き方も随分変わりました。インターネットの普及により、現地に行かなくても世界中の人々とビジネスが可能になり、生産物も「実際の物」だけでなく、「情報」や「アイデア」「データ」等もそれらの仲間になりました。これから先、まだまだ私たちが思いつきもしなかった「もの」や「こと」が生まれていくことと思いますが、全ては私たちが安心して快適に生活できるためのものとして生み出されて行って欲しいものです。

 世界では、いつまで続くのか分からない悲しい争いが続いています。

 子供の成長を喜び祝い、収穫に感謝して秋の味覚を堪能できるようなことがどれだけ幸せなのかと言うことを、多忙な日常ではつい忘れてしまいます。

 そして、働くことは辛いことも多いので、そもそも働けることに感謝することを忘れてしまいがちです。

 落ち着いて考えてみればわかることなのですが、現代人は忙し過ぎます。

 せめて年に1度、11月23日がそんなことを考える日であっても良いような気がします。

(植木 乃梨子)

   

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