4月は新入学の生徒、学生、企業に入社した新社会人など、これから新しい環境での生活が始まる方々が多い月ですね。小さな体に対して少し大きく見えるランドセルや、初々しいスーツ姿がまぶしい季節です。
そんな4月は和風月名で『卯月(うづき)』と言います。
名前の由来は、「卯の花が咲く季節」からきています。卯の花はウツギの花のことで、唱歌『夏は来ぬ』の中で歌われているように初夏を感じさせる花です。
4月に初夏の花とは、時季外れな感じもしますが、旧暦の4月は現代の4月下旬から6月上旬ころにあたりますので、初夏と言ってもよい季節になります。
また、『植月』と書いて「うづき」と読む呼び方もあります。これは「稲の苗を植え始める季節」ということからきています。
他にも『花残月(はなのこりづき)』という呼び方があります。これは、「もう桜の花はほとんど散ってしまったが、山あいでは(桜が)わずかに見られる状態」を表しています。
現代の4月ではこれから桜が咲くところもあり、開花予想によると秋田、青森、札幌の桜のピークは4月中旬から下旬で、釧路ではゴールデン・ウィークころまでお花見が楽しめるようです。
ところで日本の国花は、何であるかご存知でしょうか。
『桜』と答える人が多いと思いますが、実は日本の国花は正式に定められておりません。
桜は各地のお城や城址公園、学校の校庭などに植えられていることも多く、硬貨や切手のデザインにも使用されているので、私たちは小さいころからあらゆるところで目にしてきました。
菊も日本を代表する花のひとつですが、桜が持つ圧倒的な存在感、華やかさの前では、どうしても2番手になってしまうのは仕方ないかもしれません。
それでも『春の桜』と『秋の菊』は、季節ごとにその見事な咲きぶりを堪能させてくれます。
桜が日本の『国花』と勘違いされやすいのは、他にも理由があるようです。
それは、桜が持つ特性であったり、政治的なものと深いかかわりがあったりすることに由来します。
そのようなわけで、次回は続編として『日本にとっての桜』について書いてみたいと思います。よろしければ、次回もお読みください。
(植木 乃梨子)