ハロウィンの起源と日本の行事

日本では昔から10月は「”〇〇”の秋」という言葉の中に、”スポーツ”、”読書”、”芸術”、”食欲”などの単語を当てはめて、様々な秋を楽しむという文化がありました。

しかし近年、Z世代などを中心とした若者たちの間における10月のイメージと言えば「ハロウィン」の方が馴染み深いのではないでしょうか。

ハロウィンはクリスマスと同様に、元々宗教的な行事を起源としています。
「ハロウィンは何の日?」と聞かれたら、どのくらいの人が答えられるでしょうか。

たぶん「クリスマスは何の日?」に比べ、答えられない人が多いのではないかと思います。
そこで今回はハロウィンについて書いていきます。

皆で仮装して楽しむイベントのように広まっていますが、歴史のある行事なので、中々に奥が深いです。そのため、1度に書いていくには非常に膨大な量になるため、前編と後編に分けてお伝えしてまいります。

前編は、基本的な情報としてハロウィンの起源、日本の「ある行事」との共通点についてご紹介します。

ハロウィンの起源は2000年以上も前と言われており、元々スコットランドやアイルランド周辺のヨーロッパにおいて発祥した行事です。
その後世界各地に広まっていきましたが、日本で知られているハロウィンは、主にアメリカにおける行事の内容が中心であり、ヨーロッパでの風習とはだいぶ異なっています。

古くからキリスト教では11月1日は「諸聖人の日」、11月2日は「死者の日」とされており、ハロウィンはその前夜祭にあたる行事でした。
また、これらの行事の発祥であるとされるケルト地方では、10月31日は「1年の終わりの日」とされており、その日は「現世と来世を分ける境界が弱まる日」と考えられていました。
そして、その日には祖先の魂が家族の元へ戻ってくる日と信じられていました。

日本のお正月では、玄関に門松を立て、神棚や家の中心部には鏡餅を用意して歳神様を迎えるという風習があります。
歳神神とは祖霊(弔い上げが済んだ祖先の霊)であるとも言われていますので、新しい年の初めに祖先の霊が返ってくるという点では、ケルト人と日本人の考え方に共通点があります。
また、「現世と来世を分ける境界が弱まる日」とは日本ではお彼岸の中日(春分の日と秋分の日)がそれにあたり、その日に先祖の供養をおこなうことも国を越えて通ずるものがあります。
地域も文化も言葉も全く異なる国で、同じような考え方や風習があることは非常に興味深いことです。

さて、今回はここまでになります。
後編はハロウィンにはなぜ仮装するのか?「Trick or Treat」って何?カボチャはどのような意味があるの?などについてご紹介してまいります。

(植木乃梨子)

   

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