11月になりました。
早いもので2023年もあと2ヶ月となりました。
気づけば、この頃になると毎年同じことを言っています。
その11月の和風月名は『霜月(しもつき)』といいます。
少し寒そうな名前ですが、旧暦の11月1日を現代の暦に換算すると12月4日にあたります。12月7日には立冬を迎え、これを過ぎると暦の上では冬の始まりとなります。
霜月の名は「霜が降りるようになる月」ということに由来していますので、なるほどと納得できます。
そんな11月は、とても行事が多い月でもあります。
文化の日、酉の市、七五三、勤労感謝の日など多くの文化的行事や儀式が行われます。
1番最初に迎えるのが『文化の日』です。
文化の日は「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを目的として、昭和23年(1948年)に公布された、国民の祝日です。この日は明治天皇のお誕生日で、明治時代は『天長節』(現在の天皇誕生日)と呼ばれていました。
その後、第二次大戦前までは『明治節』と呼び、明治天皇の遺徳を偲ぶ日とされていました。また、日本国憲法が公布された日でもあります。
ところで、そもそも「文化」って何でしょうか?
一般的には、古来より伝わる風習、歴史、芸術、哲学、宗教などなどを総称して呼ばれています。しかし、元々はそんなに大それた学術的なものではなく、「先人たちの知恵と努力により、生活の中で生まれた、その土地特有なものや風習」だったのだと思います。
それが次第に多くの人に親しまれ、研究されたり、試行錯誤が繰り返されたりして、「立派なもの」に育っていったのだろうと思います。
外国の人々に「日本の文化を紹介する」などとよく言いますが、この国から生まれたものはたくさんあるので、なかなか絞り込めませんね。 歌舞伎や茶の湯、和食などはもちろん、京都や奈良などの観光地は世界に誇る日本の文化遺産が多く残る地です。そして、今や秋葉原も世界から注目される日本文化の地となっています。
現代では生活はどんどん便利になり、都市は発展し、世界中のどこからでも自由に買い物ができるようになりました。しかし、あえて不便な家電を好んで使ったり、レコードやカセットテープの人気が高まったりしている現象もあります。レトロなインテリアやファッション、昭和時代の音楽などが若者に好まれ、新しい文化として生まれ変わっています。
「古いけど、どこか新しい」という文化が間違いなく生まれ育っています。
こうした時代の流れを見ていると、「温故知新」はいつの時代も受け継がれていくものなのだと実感させられます。
(植木 乃梨子)