「伝える」と「伝わる」はわずか一文字違いですが、その中身には大きな違いがあります。
■「伝える」とは
自分の考えや誰かに言われたことを、一方的に他方へ受け渡す「行動」です。主語は「自分」で、相手の状況について考慮することなく自分目線で話をしたり、文章を書いたりします。そのため、単純に「伝える」だけでは相手に自分の伝えたいことが伝わらないことがよく起こります。
■「伝わる」とは
自分の伝えたいことが自分の意図に合った状態で相手に伝わっている(通じ合っている)ことです。 この場合の主語は「相手」です。一方的ではなく双方向のコミュニケーションが取れていることが重要です。
例えばこのような出来事があります…
ラジオ番組でAというアーティストの「B」という曲が流れてきたというシーンを思い浮かべてください。
たまたまAのファンであるXさんに向けて、あまり興味がないYさんが「Bだけは良い曲だよね」と話かけてきました。
Yさんは褒めたつもりで話したとしても、Xさんにとっては会話に「だけは」と付いたことで「他の曲はダメなのか?」とネガティブな言葉として受け取られてしまう可能性があります。
この会話だけでは「伝える」ことはできても、褒めたいという本当の気持ちが「伝わる」ことはありません。相手にどう伝わるのか?という相手の視点が欠けているからです。
また、職場や家族関係などで「言った・言わない」論争も良く起こります。話をした側は「言った」つもりになっているのが、実は話を聞いた側は「言われた」と思っていないケースが多々あります。これも先ほどの事例と同じで、相手の視点が欠けていることで起こります。
少し視点を変えることで意外と簡単に「伝わる」会話に近づきます。「伝わる」会話には押さえておきたい5つのポイントがあります。
- 相手が自分と違う「知識・経験」を持っていることを想像する
- 自分と相手が共有している情報量が違うことを認識する
- 自分と相手の経験内容の違いを想像する
- 相手が使う言葉を知る(日頃からのコミュニケーションが大事)
- 適切な言葉を使って、効果的に伝わる順番で並べる
これだけでも、日常での会話においては改善できます!
さらに伝わる文章を書くことは、会話より少し難しいため「相手がどう捉えるのか」を想像して書いていくことが大事です。
伝わる文章を書くこととは…
とここまで書いたのですが、この先は現在執筆中なので続きは後日公開します。
(文章添削士協会blog班)
<参考ブログ>
・論文オンライン 石井秀明「あなたの言葉はなぜ伝わらないのか?」
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